大人の発達障害は、子どもの頃には気づかれにくく、仕事や人間関係の悩みをきっかけに表面化することがあります。
また、特性は見た目だけでは分かりにくく、本人の努力不足や性格の問題と誤解されることも少なくありません。
本記事では、大人の発達障害の主な種類や特徴、相談先、医療機関の受診方法、就労支援や公的制度まで分かりやすく解説します。
相談する目安や準備のポイントにも触れているため、初めて支援を探す方が相談先や受診の準備を確認する際にも役立ちます。
大人の発達障害とは?見過ごされやすい理由
大人の発達障害は、子どもの頃は「個性」や不器用さとして見過ごされ、社会人になってから報連相、予定管理、会話のすれ違いなどで困りごとが目立つ場合があります。
また、進学や就職によって人間関係が広がり、求められる役割や自己管理の範囲が増え、特性による困りごとが表面化してから気づくケースもあります。
ただし、子どもと大人では困難が表れる場面が異なるため、現在の生活や仕事への影響を整理し、自分に合う相談先や支援を考えておくことが大切です。
大人の発達障害の主な種類と特徴
大人の発達障害には、ASD、ADHD、LD・SLDなどがあり、特性によって困りごとの現れ方は異なります。
例えば、対人関係のすれ違い、忘れ物や段取りの苦手さ、読み書きや計算への負担など、日常生活や仕事で悩みにつながることがあります。
ここでは、大人の発達障害の主な種類と特徴を確認していきましょう。
ASD(自閉スペクトラム症)
ASD(自閉スペクトラム症)では、表情や言葉の裏にある意図を読み取りにくい、曖昧な指示に戸惑いやすい、決まった手順や環境に安心感を持つといった特性が見られることがあります。
また、大人では職場の雑談に入りにくい、急な予定変更で強いストレスを感じる、暗黙のルールが分からず誤解されることがあります。
そのため、本人の努力だけで解決しにくい場面では、指示を文章で残す、変更点を早めに共有するなど、周囲の理解や環境調整が重要です。
ADHD(注意欠如・多動症)
ADHD(注意欠如・多動症)では、集中を保ちにくい、物事を順序立てて進めにくい、忘れ物や遅刻が多い、衝動的に発言や行動をしやすいといった特性が見られることがあります。
また、大人の場合は締め切りの管理、家事の段取り、会議中の集中、約束の確認などで困りやすくなることがあります。
そのため、メモや通知機能を活用し、予定の見える化や作業の細分化など、本人に合った方法を早めに取り入れることが大切です。
LD・SLD(限局性学習症)
LD・SLD(限局性学習症)は、知的発達に大きな遅れがないにもかかわらず、読む、書く、計算するなど特定の分野で著しい苦手さが現れる発達障害の1つです。
また、大人の場合は書類作成に時間がかかる、数字の確認ミスが多い、長い文章を読む負担が大きいなど、仕事や行政手続きで困ることがあります。
そのため、苦手分野を整理し、音声確認や計算ツールの活用など、負担を軽くする具体的な対応を支援窓口などで相談することが大切です。
発達障害かもしれないと感じた時の相談先
発達障害かもしれないと感じても、相談先が分からず、1人で悩みを抱える方は少なくありません。
また、特性は外見から判断しにくいため、仕事や家庭で困っていても周囲に伝わりにくく、負担が大きくなる場合があります。
ここでは、困りごとを整理したい時や医療機関・支援制度について知りたい時に利用できる、公的窓口や相談方法を紹介します。
まず相談すべき身近な窓口
発達障害かもしれないと感じた時は、地域の保健所、市区町村の福祉担当窓口、かかりつけ医などが身近な相談先になります。
また、初めて相談する時は「この程度で相談してよいのか」と迷うこともありますが、生活や仕事に影響が出ているなら、早めに話してみることが大切です。
必要に応じて発達障害者支援センターや医療機関などへ窓口からつないでもらえる場合もあるため、相談前に困っている場面や生活への影響を簡単にメモしておくと伝えやすくなります。
匿名で相談できる電話・オンラインサービス
対面で話すことに抵抗がある場合は、電話やオンラインで利用できる相談サービスを検討するとよいでしょう。
また、発達障害者支援センターの電話相談、自治体の相談窓口、こころの健康に関する電話相談などは、匿名で相談できる場合があります。
さらに、公的な情報サイトを活用すれば、地域の支援機関や医療機関を探す手がかりになります。
まずは匿名で悩みを話すことで気持ちを整理でき、次に利用する窓口も選びやすいでしょう。
医療機関で診断を受けるには何科に行けばいい?
大人の発達障害について医療機関に相談したい場合、主な受診先は精神科や心療内科です。
また、発達障害の特性は、うつ状態や不安、不眠、対人ストレスなどと重なることもあるため、問診や検査を通じて状態を整理する必要があります。
ここでは、受診先の選び方や予約前に確認したいポイントを見ていきましょう。
精神科・心療内科
精神科や心療内科で発達障害について相談する場合、医療機関では事前予約が必要です。
また、初診では現在の困りごと、子どもの頃からの傾向、仕事への影響などを医師に伝えます。
うまく説明できるか不安な場合は、困っている場面や頻度をメモにまとめると安心です。
さらに、必要に応じて質問票や心理検査、家族からの聞き取りが行われ、診断までに複数回の受診が必要になる場合があります。
不明点は次回確認できるようメモしておくとよいでしょう。
発達障害専門外来のある病院の探し方
発達障害専門外来のある病院を探す際は、地域名と「発達障害」「専門外来」「大人」などを組み合わせて検索すると見つけやすくなります。
ただし、対応できる医療機関は地域によって限られるため、一般の精神科や心療内科で相談できるか事前に確認することが大切です。
また、迷う場合は発達障害者支援センターや保健所、市区町村の窓口に問い合わせると、地域の医療機関や受診の流れを案内してもらえる場合があります。
紹介状の要否や初診予約の取り方も確認しておくと安心です。
大人の発達障害に対応する公的な相談窓口・支援機関
大人の発達障害に関する悩みは、医療機関だけでなく、公的な相談窓口や支援機関でも相談できます。
また、生活や仕事、家族関係、受診先の探し方、支援制度の利用など、困りごとの内容によって適した窓口は異なります。
ここでは、公的な相談先や支援機関の特徴を確認していきましょう。
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害に関する相談や支援を行う公的な専門機関です。
また、本人だけでなく、家族や職場などの関係者からの相談にも対応しています。
生活での困りごと、受診先の探し方、福祉サービスの利用、職場や家庭での関わり方などを相談できます。
ただし、医療機関ではないため診断は行いません。
電話や面談など利用方法は地域によって異なるため、まずは居住地を管轄するセンターの情報を確認するとよいでしょう。
発達障害ナビポータル
発達障害ナビポータルは、発達障害に関する基本情報や相談先を調べたい時に役立つ公的な情報サイトです。
また、発達障害の特徴、支援制度、医療・福祉に関する情報や地域の相談窓口を探す手がかりも得られます。
そのため、どこに相談すればよいか分からない場合でも、情報を整理する入口として活用しやすいでしょう。
本人だけでなく家族や支援者向けの情報も確認できるため、相談前の状況整理や受診前の基礎知識の確認にも役立ちます。
保健所・精神保健福祉センター
保健所や精神保健福祉センターは、こころの健康や生活上の困りごとについて相談できる公的な窓口です。
また、発達障害かもしれないと感じる時や受診先を探したい時、家族として対応に悩む時にも利用できます。
具体的には、保健所では身近な地域相談を受けられ、精神保健福祉センターでは専門的な相談や医療機関につないでもらえる場合があります。
ただし、相談方法や予約の有無、匿名相談の可否は自治体によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーションは、働くことに不安がある若者を対象に、就労や生活に関する相談を受け付ける支援機関です。
また、対象年齢は原則15歳から49歳までで、発達障害の診断がある人だけでなく、仕事に踏み出せない、就職活動が続かない、生活リズムが整わない人も相談できます。
そのため、働き方や日常生活の課題を整理したい時の相談先として活用しやすいでしょう。
自己理解や職場体験、応募準備なども、支援を受けながら段階的に進められる場合があります。
仕事や就労に関する悩みを相談できる窓口
大人の発達障害では、仕事の進め方や人間関係、職場での配慮、就職・転職に悩むことがあります。
また、働きづらさを1人で抱え込むと不安や離職につながる場合もあるため、早めに相談先を知っておくことが大切です。
ここでは、ハローワークや障害者就業・生活支援センターなど、仕事や就労の悩みを相談できる窓口を確認しましょう。
ハローワークの専門援助部門
ハローワークの専門援助部門では、障害や特性に配慮した職業相談、求人紹介、応募書類や面接に関する支援を受けられます。
また、自分に合う仕事が分からない時や、応募先に特性や希望する配慮をどう伝えるか迷う時にも相談できます。
さらに、障害者雇用枠の求人を紹介してもらえる場合もあり、就職活動の進め方について相談できる点も特徴です。
ただし、診断や手帳の有無によって利用できる支援が異なることがあるため、まずは窓口で確認するとよいでしょう。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、就職の悩みだけでなく、働き続けるための生活面の課題も相談できる支援機関です。
また、職場の人間関係、勤務リズム、金銭管理、体調管理などに困りごとがある場合、専門スタッフに職場や生活の状況に応じた支援について相談できます。
さらに、就職活動の準備や職場定着、関係機関との連携も行われるため、仕事と生活の両方を整えたい方にとって利用しやすい窓口といえるでしょう。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障害のある方の就労を専門的に支援する公的機関です。
また、発達障害のある方に対して、職業相談、職業評価、職業準備支援、職場適応のための助言などを行っています。
そのため、自分に向いている仕事を知りたい場合や、職場で無理なく働くための工夫を相談したい時に活用しやすいでしょう。
さらに、ハローワークや企業と連携し、就職前の準備から職場側への助言まで、実践的な就労支援を受けられる点が特徴です。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指す障害のある方に、訓練や就職活動の支援を行う障害福祉サービスです。
また、発達障害のある大人の場合は、ビジネスマナー、時間管理、応募書類の作成などを実践的に学べます。
利用には自治体での手続きが必要なため、福祉窓口で流れを確認するとよいでしょう。
就職後も職場に慣れるための支援を受けられる場合がありますが、事業所ごとに特徴が異なるため、見学や体験利用で比較することが大切です。
発達障害と診断された後に活用できる支援制度
発達障害と診断された後は、医療費の負担軽減や障害者手帳による福祉サービス、就労支援など、状況に応じて活用できる制度があります。
また、制度を知っておくことで、通院や生活の負担を減らしながら、自分に合う働き方や必要な支援を検討しやすくなります。
ここでは、代表的な支援制度の内容を確認していきましょう。
自立支援医療制度による医療費の軽減
自立支援医療制度は、精神科や心療内科などで継続的な治療を受ける場合に、医療費の自己負担を軽減できる公的制度です。
また、発達障害に関連して通院や服薬が必要な方にとって、負担を抑えながら支援を続けやすくなる点がメリットです。
申請は市区町村などの窓口で行い、医師の診断書や申請書類が必要になります。
ただし、所得や利用できる医療機関の指定など条件があるため、自治体や医療機関の相談員に確認するとよいでしょう。
精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービス
精神障害者保健福祉手帳を取得すると、自治体や事業者が提供する各種サービスを利用できる場合があります。
また、税制上の控除、公共施設の利用料減免、交通機関や携帯電話料金の割引、就労支援など、内容は地域や事業者によって異なります。
ただし、取得は本人の意思に基づく申請であり、必要性やメリットを確認したうえで検討することが大切です。
詳しくは、利用できるサービスの詳細を市区町村の障害福祉窓口で確認するとよいでしょう。
障害者雇用枠での就職・転職
障害者雇用枠での就職・転職は、特性に配慮を受けながら働きたい方に有効な選択肢です。
また、業務内容や勤務時間、指示の出し方などを相談しやすく、自分に合う働き方を選びやすくなります。
ただし、求人条件によって障害者手帳の確認が必要となる場合がある一方、ハローワークの障害者向け支援は手帳がない方も利用できます。
応募条件を求人ごとに確認し、希望条件と支援の受けやすさを比べて検討しましょう。
まとめ:大人の発達障害の相談先と支援機関を知ろう
大人の発達障害は、仕事や人間関係、生活管理の困りごとをきっかけに気づくことがあります。
そのため、発達障害かもしれないと感じたら、1人で抱え込まず、保健所や発達障害者支援センターなどの公的窓口に相談することが大切です。
また、必要に応じて精神科や心療内科、就労支援機関に相談すると、医療費の軽減制度や障害者雇用枠など、利用できる制度や働き方の選択肢を確認しやすくなります。
相談前に困りごとを整理しておくと、自分に合う支援を見つけやすくなるでしょう。
大人の発達障害は、仕事のミスや人間関係、職場への連絡のしづらさをきっかけに気づくことがあります。
努力不足と決めつけず、困りごとを整理し、必要な支援につなげることが大切です。
Heart Contactでは、発達障害に関する不安をはじめ、電話対応や人との関わりに悩む方からのご相談を受け付けています。
仕事や日常生活の困りごとを1人で抱え込まず、まずは無理のない範囲でご相談ください。
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この記事の監修者
大野 純Ohno Jun
Heart Contact 代表
プロフィール
私は発達障害・自閉症・パニック障害・双極性障害・PTSDを抱えながら社会生活を送ってきました。
仕事は管理職まで昇進し勤怠などの管理を行っていた際、私と同じような障害をお持ちの方などが、電話が苦手で、朝定時までに連絡出来ない方がいらっしゃいました。
その方々は、仕事は出来るのに、朝起きられなかったり、電話が苦手なだけで、解雇されていのを目の当たりにし、これは勿体無いと感じ事業を始めようと思いました。
趣味は、以前プロレーシングドライバーだったこともあり、車のチューニングであったり、ドライブ、美味しい料理のお店探しや、お酒食べ歩き、スポーツ観戦、テニス、スキー、ゴルフを楽しんでいます。
私も元々電話が苦手で克服しようと、前職のコールセンターに就職し6年間勤務し、5年間管理者として働いていました。
その中で、いろいろ悩みを抱えてる人や、困っている人を沢山見てきました。苦しんでいる人達のサポートが、出来たら良いなと思い今に至ります。
社内で悩みを我慢して退職してしまう方もいらっしゃいましたので、悩み相談や、その方が職場と話して改善して欲しいという希望があれば、私が勤務先に掛け合い状況説明と改善策を一緒に考え、働きやすい環境作りを目指します。
皆様が長期就労できる様全力を尽くしますので、困ったときは頼って下さい。




